人気ブログランキング |
ブログトップ

夜つぐみの鳴くところで

bluenotejy.exblog.jp

もしお気に入りの一枚がありましたらご自由にご利用下さい (^^)゚~   ( 2K or 4K )

タグ:クラシック ( 9 ) タグの人気記事

この暑さ! かなりヤバイですね。
鳥ネタも昆虫ネタも切れちゃったので・・・
ここからは 「夏眠」モードに入ります(爆)
a0185081_19564701.jpg

アレクサンドラ・コヌノーヴァが奏でるヴィヴァルディの四季です。
ヴァイオリン協奏曲集 『和声と創意の試み』 作品8 全12曲の第1曲から第4曲
ガルネリが作った1730年製フォン・ヴェチェイの優美な音色をお楽しみください。
VIVALDI - Four Seasons - Alexandra Conunova - Orchestre International de Genève



Alexandra Conunova (アレクサンドラ・コヌノーヴァ )
モルドバ共和国の女性ヴァイオリニスト、1988年11月16日生まれ。
6歳からヴァイオリンを習い、ハノーヴァーとローザンヌで研鑽を積む。
ギトリスとオイストラフからも指導を受ける。
2012年のヨーゼフ・ヨアヒム国際ヴァイオリンコンクールで優勝。
2015年、第15回チャイコフスキー国際コンクール第3位。
a0185081_20101292.jpg

使用楽器は1730年製のフォン・ヴェチェイ(von Vecsey) 通称「デル・ジェス」です。
「バルトロメ・ジュゼッペ・ガルネリ」(通称「デル・ジェス」)(1698~1745)は、
「アントニオ・ストラディヴァリ」とならび、弦楽器製作史上もっとも優れた製作家の一人です。
初期(1726~1730)の作品から、「デル・ジェス」の独創的な才能が開花していきます。
この時期の作品の多くは、父「フィリウス・アンドレア・ガルネリ」の型で製作されており、
均整のとれたフォルムとエレガントで優美なアーチにより、クレモナ特有の上品な高音の美しさと
「デル・ジェス」独自のラフで力強い削りによる低音の深みが加えられています。

by Bluenotejoy | 2019-08-01 20:42 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
a0185081_12044353.jpg

今日から令和の幕開けですが、西暦派なのでサラッと行きます(爆)
時代は変わっても決して色褪せることのないのが20世紀の音楽遺産です。
32歳の若きケルテスがVPOと初めて対峙した 「デビュー作」 とも言うべき記念碑的作品。
オーケストラの流れに委ねながらもここぞという所では決して譲らないケルテス
両者の駆け引きが心地よい緊張感を生み出しています。
ウィンナー・ホルンの素朴な響きもドヴォルザークの土臭さに似合います。
オーディオ装置のリファレンスたりうる好録音です。
ジャケットを見ると当時はまだ第5番だったんですね。
その後、出版順から作曲順に整理され今では第9番で定着しています。

a0185081_12131499.jpg

 ドヴォルザーク 交響曲第9番ホ短調 Op.95「新世界より」
 イシュトヴァン・ケルテス(指揮)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音 1961年3月22=24日、ウィーン、ゾフィエンザール




イシュトヴァン・ケルテス(Istvan Kertesz)は、1929年ハンガリーのブダペスト生まれ。
同地のフェレンツ・リスト音楽院でゾルタン・コダーイ他に学んだのち、
1955年からブダペスト国立歌劇場の指揮者となる。
1956年、ハンガリー動乱の時、ジョルジュ・シフラと共に西側に亡命した。

その後はアウクスブルク国立歌劇場、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団などを指揮し、
1965年から1968年までロンドン交響楽団の首席指揮者を務めた。
1968年には来日し日本フィルハーモニー交響楽団に客演した記録が残されている。

その恵まれた才能ゆえまさにこれからの音楽界を背負うと期待されていた矢先の出来事。
1973年4月、イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団に客演した折、
イスラエルのテル・アビブの海岸で遊泳中、高波にさらわれ溺死した 43歳没。

by Bluenotejoy | 2019-05-01 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
若き天才ピアニスト、クリスティアン・ツィマーマン 31歳
晩年をむかえた巨匠レナード・バーンスタイン 71歳
ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番、4番、5番のライブ録音である。
バーンスタインが亡くなる1年前、1989年の演奏である。

ポーランド生まれのクリスティアン・ツィマーマンは、納得のゆくまで自己のレパートリーを磨き上げ、
その解釈を徹底的に掘り下げることで知られる孤高のピアニストである。
レナード・バーンスタイン は、ユダヤ系アメリカ人の作曲家、指揮者であり、ピアニストとしても知られている。
アメリカが生んだ最初の国際的レベルの指揮者になり、ヘルベルト・フォン・カラヤンやゲオルク・ショルティと
並んで、20世紀後半のクラシック音楽界をリードしてきたスター音楽家である。

 クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ)
 レナード・バーンスタイン(指揮)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1989年9月
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

● ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番ハ短調 Op.37


● ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番ト長調 Op.58


● ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 Op.73『皇帝』


バーンスタインは伴奏指揮を超えて本気で自身のベートーヴェン像を作り出して行きます。
巨匠然とした大振りな構築でスタート、若きツィマーマンを一気に引きずり込むかと思いきや、
それに臆することなくうなり声やら鼻歌で自分の世界を作り出して行くツィマーマンなのです。
スリリングで火花散るガチ対決の様相を呈しているのですが、そこにウィーンフィルならでは
の魔法にかかったかのごとき音色がすべてを覆いつくす超絶な演奏になっています。

翌年、全集が未完のままバーンスタインは亡くなってしまいます。
さあどうする! 中止か? 新しい指揮者を探すのか?
何とツィマーマンみずからウィーン・フィルを指揮して弾き振りで全集を完成させたのでした。
編成を小さくした事でとても瑞々しい若きベートーヴェン像を見せてくれました。

 クリスティアン・ツィマーマン(ピアノ、指揮)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 録音時期:1991年12月
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)

● ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番ハ長調 Op.15


● ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 Op.19

by Bluenotejoy | 2018-09-25 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
火星は15年~17年の周期で地球に大接近するんですね。
南東の空にオレンジ色に輝く姿は肉眼でも十分楽しめます。
でも昔から火星が地球に近づくと戦争が起こると云われてきたんですよ。

グスターヴ・ホルスト Gustav Holst (1874年9月21日 - 1934年5月25日)
イギリスの作曲家であり最も知られた作品は管弦楽のための組曲 「惑星」 である。
占星術から着想を得た壮大なテーマを火星から海王星まで7つの楽章で構成した。

初演は1920年10月で当初はあまり評判にはならなかった様である。
しかし1961年頃にカラヤンがウィーン・フィルの演奏会で取り上げた事で一躍有名になった。

カラヤン指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
火星 - 戦争をもたらすもの



不気味な序奏から勇ましい軍隊の行進へ。
人々は何かにとり憑かれたような形相で、一心不乱に歩調を合わせます。
そしていつ殺されるかわからない恐怖との闘いや張り詰めた緊張感が込められていきます。
しかし結末はあっけなくやって来ます。

そして木星は快楽をもたらすものなんですね。



by Bluenotejoy | 2018-08-04 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
フランツ・ペーター・シューベルト 言わずと知れたオーストリアの大作曲家である。
Franz Peter Schubert (1797年1月31日 - 1828年11月19日 31歳没)
各分野に名曲を残したが、とりわけドイツ歌曲において功績が大きく「歌曲王」と呼ばれることもある。

a0185081_09340119.jpg

そんな彼が最晩年に残した 「幻想曲ヘ短調 D.940」 は、亡くなる直前に発表したピアノ連弾曲である。
四手のためのピアノ曲の中でも、とりわけ印象深い傑作であるが、こんな逸話が残されている。

シューベルトは21歳の夏、ハンガリーの貴族エステルハージ伯爵一家の音楽教師として雇われる。
伯爵家の姉妹マリーとカロリーネにピアノを教えるためである。

更に6年後にも伯爵から招聘され夏別荘のピアノ教師を務める。
二度の出会いで、彼は妹のカロリーネに強い恋心を抱くのである。
シューベルト27歳、カロリーネ18歳、1824年の夏であった。

そして4年後の1828年「かなわぬ恋」の想いを込めてこの曲をカロリーネに献呈している。

映画 「未完成交響楽」 では、カロリーネの前で 「交響曲ロ短調」 をピアノ演奏しようとして
完奏を果たせず、未完成の曲の譜面に 「わが恋の成らざるが如く、この曲もまた終わらじ」
と記して「未完成交響曲」となった、というシーンがあるが、この 「幻想曲ヘ短調」 こそが
カロリーネへの思慕作なのである。

1827年3月26日、ベートーヴェンが死去し、シューベルトは葬儀に参列した。
その後で友人たちと酒場に行き 「この中で最も早く死ぬ奴に乾杯!」 と音頭をとったという。
この時友人たちは一様に不吉な感じを覚えたと言うが、彼の寿命はその翌年で尽きるのであった。

大好きなこの曲は大好きな マリア姐さん にお願いしよう。
a0185081_09354216.jpg

マリア・ジョアン・ピレシュは1944年生まれのポルトガル出身の女性ピアニストです。
今季で引退すると言う彼女は4月には最後の来日ツアーを行っていた。
コンサート前半はモーツァルトで後半はシューベルトの幻想曲だけのプログラムだったそうだ。

こちら姐さん43歳の時の録音です。
マリア・ジョアン・ピレシュ & フセイン・セルメット、録音:1987年



こちら還暦を迎えた録音です。
マリア・ジョアン・ピレシュ & リカルド・カストロ、録音:2004年



おしまいはフランスのアルル出身1987年生まれの愛弟子 ジュリアン・ブローカル との連弾です。
歳の差を感じさせない息の合った演奏は素晴らしいの一言に尽きます。
ピリスいわく 「詩情のセンス、エネルギーと抑制、構造の深い理解と真の音色・・・
彼がみせるこれらの資質はとても稀有なものです」と。

ここでのピアノはホール備え付けの ファツィオリ(fazioli) です。
1981年創業のイタリア新進メーカーで、職人の手造りによる少量最高級を目指しています。
スタインウェイを聞き慣れた耳には新鮮に響きますね。

マリア・ジョアン・ピレシュ & ジュリアン・ブローカル 2016年4月


by Bluenotejoy | 2018-07-01 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
秋になるとどこか懐かしい こんな曲が聴きたくなります。
そう 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」 です。
モーツァルトは 「セレナード」 を13曲作ったとされています。
恋人や女性を称えるために演奏される楽曲ですね。
その最後の通し番号が与えられた 「セレナード第13番ト長調 K.525」
a0185081_22442197.png

アイネは不定冠詞、クライネは小さな、ナハトムジークは Nacht(夜)+ Musik(音楽)の合成名詞です。
1787年8月10日にウィーンで作曲完成と云いますから、亡くなる4年前31歳の作品ですね。
モーツァルト自身の目録ではアイネ・クライネ・ナハトムジークは全5楽章でした。

 第1楽章 アレグロ
 第2楽章 メヌエット&トリオ (消失)
 第3楽章 ロマンス、アンダンテ
 第4楽章 メヌエット、アレグレット、トリオ
 第5楽章 ロンド、アレグロ

楽譜初版は作曲後40年経った1827年で、すでに第2楽章部分は丸ごと欠落しており
その後も発見されていません。

良く耳にする演奏は比較的大きな編成が多いのですが、本来の構成は
ヴァイオリン2部、ヴィオラ、チェロ、コントラバスのパートです。

こちらが一般的な中規模編成のオーケストラ演奏です。
カラヤン指揮ベルリンフィル




こちらが本来の編成である弦楽五重奏です。



モーツァルトに関して うんちくを傾ける ようになるとあまり聴かなくなる曲ですが、
こうして改めて聴いてみるとまさに疑う余地のない名曲中の名曲であります。

a0185081_23031807.jpg


by Bluenotejoy | 2017-10-08 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
グスターボ・ドゥダメルは、1981年生まれ、今年36歳になる大注目の若手指揮者です。
その出身は世界最大の石油埋蔵国である社会主義独裁国家の南米 ベネズエラ です。

a0185081_19094203.jpg

バンベルク交響楽団が2004年にスタートした 「グスタフ・マーラー国際指揮コンクール」
マーラーの孫であるマリーナ・マーラーを名誉審査員に迎えて3年毎に開かれていますが、
その栄えある第1回の優勝者が当時23歳の若さであった ドゥダメルその人でした。
彼はこの優勝で一躍脚光を浴びる存在となり、目覚ましい活躍のスタートを切ったのでした。

a0185081_19551435.jpg

そんな彼と同時に話題となったのが、若き才能を生み出したベネズエラ国をあげた音楽教育システムです。
ベネズエラ・ボリバル共和国は、南アメリカ北部に位置するスペイン語圏の連邦共和制社会主義国家です。
コロンビアと共に北アンデスの国ですが、自らをカリブ海世界の一員であると捉えている様です。

a0185081_19584849.png


しかし、2013年にチャベス大統領が死去して以降、独裁政権下での国家運営はもはや破綻寸前で、
政治活動や言論の自由さえもない暮らしに人々は疲弊しきっており 「電気も水もないが銃弾はある」
と言われる程治安が悪いとされてます。
もはや国家の体をなさない程だと言われているのですが・・・

詳しくは異形の国家が生き延びる理由 破綻国家ベネズエラの耐えがたい日常 をご覧ください。
いまや米国トランプ政権が本気で軍事介入しようとしているのは、
北朝鮮ではなくベネズエラだ! とも言われている程深刻な事態なのです。

そんなベネズエラで何故この様な音楽才能が開花したのでしょうか?!
彼らの活躍は別の意味でも世界が注目する大いなる不思議でもあるのです。

a0185081_21071293.jpg

国家組織が運営する エル・システマ (El Sistema ) と呼ばれる音楽教育プログラムでは
すべて公的融資により賄われ、31万から37万の子どもたちを国中の音楽学校に通わせており、
学生の大半は貧困層の出であると言われています。

そんな環境で生まれ育った ドゥダメルは、トロンボーン奏者の父と声楽家の母の元で幼い頃から
音楽に親しみ、5歳の頃からこの エル・システマ で音楽教育を受け始めたと言う。
10歳でヴァイオリンを選択し、12歳のときにはコンサートマスターを務めていた地元の
ユース弦楽合奏団で指揮にも取り組むようになり、1996年には15歳で同楽団の音楽監督となった。

その後の勢いは留まる所を知らず、遂にこの新年には指揮者界の頂点に上り詰めたのでした。
全世界が注目した 2017年のウィーン・フィル 「ニューイヤー・コンサート」です。
ファンには最高のお年玉となったのは記憶に新しいところです。

a0185081_19143062.jpg

そんなドゥダメルの新しい演奏が Youtube で見られるんです。
この3月に行われたベートーヴェン・チクルスの全曲です。
オケは彼の手兵であるベネズエラのシモン・ボリバル交響楽団
もちろん全員がエル・システマで育てられたまさにベネズエラ国立交響楽団です。
そんなドゥダメル、改めて驚くのはどうやら指揮する曲はすべて暗譜している模様で
これまで彼が譜面台を前にしているのを見た事がありません。

 (指揮)グスターボ・ドゥダメル
 (管弦楽)シモン・ボリバル交響楽団
 (コンサート・マスター)アレハンドロ・カレーニョ
2017.3.12~15 スペイン・バルセロナにあるカタルーニャ音楽堂でのライブ映像です。

まさにベネズエラの奇跡!
どうぞまずはお好きな曲からお聴き下さい。

①チクルスⅠ 「エグモント」序曲、交響曲第一番ハ長調、序曲「コリオラン」、交響曲第二番ニ長調



②チクルスⅡ 交響曲第三番変ホ長調「英雄」、交響曲第四番変ロ長調


③チクルスⅢ 交響曲第五番ハ短調「運命」、交響曲第六番ヘ長調「田園」


④チクルスⅣ 交響曲第七番イ長調、交響曲第八番ヘ長調


⑤チクルスⅤ 交響曲第九番ニ短調「合唱付き」



さてさて どうでしょう。
ドイツ、オーストリアとは縁もゆかりもないラテンの若者たちが紡ぎ出すベートーヴェン。
まあ自分も異邦人なので感想は書きません(爆)
でもエル・システマが養成した個々人の技量とアンサンブルの見事さは我がN響も真っ青ですね。
今やこのエル・システマの思想は、日本を始めとする世界20カ国以上に広がりつつあるそうですよ。

by Bluenotejoy | 2017-09-12 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
 NHK-BS 「玉木宏 音楽サスペンス紀行 マエストロ・ヒデマロ 亡命オーケストラの謎」 を見た。

a0185081_13102862.jpg

 戦前からヨーロッパ・ドイツを拠点に活躍した日本人指揮者・近衛秀麿には、
 「表の顔」からは想像もできない、もう一つの顔があった。
 刻一刻と激しさを増すナチスのユダヤ人弾圧の嵐の中で、
 多くのユダヤ人たちを国外に脱出させ命を救っていたというのだ。

a0185081_11254645.jpg

 「死の都」に響いた「未完成交響曲」〜1943.9.28 戦火のワルシャワ公演を再現する〜
 世界の音楽史に残る日本人指揮者・近衛秀麿のワルシャワ公演を、60名のポーランド人演奏家で編成された
 オーケストラが演奏、指揮者にはウィーン大学名誉教授の前田昭雄氏を迎え、現代によみがえらせる。

a0185081_11225633.jpg

 当時の交響曲は 「アレグロ・ソナタ - 緩徐楽章 - スケルツォ - フィナーレ」 の4楽章から構成される。
 シューベルトも当然その様に考えて進めていったと思われるのだが、何故か途中で中断してしまった。
 第2楽章までを完全に完成させ、第3楽章のスケッチまで仕上げながらである。
 シューベルトはまだ25歳であったが、続く交響曲である「グレート」を先に仕上げてしまうのだ。
 「ロ短調交響曲」に興味を失ったのか、新たに湧き上がって来た「ハ長調交響曲」の虜になったのか、
 はたまた第3楽章のスケットがイマイチで先に進めず単に保留していただけなのだろうか。
 しかし彼はこの曲を完成させる事なく31歳でなくなってしまうのである。
 これによりロ短調の交響曲は、第2楽章までの「未完成交響曲」となってしまったのであった。

a0185081_12425755.jpg

 この曲はそもそも第8番と呼ばれていた。
 その後のドイチュ番号 (D) の改定により、自筆譜のままで演奏できるという意味で完成されている
 7番目の交響曲であることから第7番として整理された。

 そこで独断と偏見? によるイチオシの演奏である。
 今回の再現演奏もその背景を知ると胸に迫るものがあるのだが、客観的な作品解釈としてはどうであろうか。
 4楽章の作品として捉えても2楽章完結と捉えても難しく、実際にあまり面白くないと思われる演奏も数限り
 ないのである。

a0185081_12351206.jpg

 胸に響く演奏が少ないなかここは冷静沈着なサヴァリッシュ先生にご登場願おう。
 何ら奇をてらう事なく作品の本質を淡々とえぐり出していると感じる演奏である。
 第2楽章が終わった後、わかっていても第3楽章が始まるのを待ってしまうのだ。

 ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮 ドレスデン・シュターツカペレ 1967年録音 です。



 こちらは カラヤン指揮 ベルリン・フィル 1965年 です。
 帝王の風格を感じさせますが、シューベルトの優しい眼差しは浮かばない。




 こちらが 近衛秀麿指揮 読売日本交響楽団 1968年 です。
 あのワルシャワでの演奏から25年、亡くなる4年前の70歳での録音です。
 譜面は普通版だと思われますが、演奏・録音とも何と素晴らしい未完成であることか!



 日本のプロ・オーケストラの祖であり、ヨーロッパで一流の指揮者としての地位を確立しながらも、
 藤原氏直系の公家で時の総理大臣の弟という特殊な出自のためか、
 その後の日本音楽界ではとかく正当に評価されてこなかった伝説的な音楽家、近衛秀麿。
 近年の研究では、彼の実力がいかに当時のヨーロッパ音楽界で評価を得ていたのか、
 いかなる時代の波に揉まれその波瀾を乗り越えて来たのか、
 そんなドラマティックな事実が明らかになってきたのです。


最後になりましたが、シューベルトが残した「ロ短調交響曲」の第三楽章スケッチはこちらです。
うーん 素敵なメロディですね。
頭の中でオケが鳴ってしまう。
未完成だった謎は解けましたでしょうか?



by Bluenotejoy | 2017-07-31 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
カール・シューリヒト (Carl Schuricht) は、ドイツ帝国ダンツィヒ出身の指揮者です。
1880年7月3日~1967年1月7日(満86歳没)

衝撃の出会いは1968年の3月、コンサートホール・ソサエティのレコードでした。
一聴してその摩訶不思議な魅力の虜となり、毎日擦り切れる程聴いたものでした。
それから早うん十年、今でも色褪せるどころか ますます深みと輝きを増しています。
古今東西、名演奏と言われるものは数あれど 唯一無二、これほどにモーツァルトの
悲しみ、痛み、心の叫びを 感じさせる演奏を知りません。
多少音が外れようが録音が悪かろうが、すべて吹き飛んでしまう素晴らしさなのです。

 モーツァルト 交響曲 第36番 「リンツ」 ハ長調 K.425 Mozart Symphony No.36
 カール・シューリヒト指揮 パリ・オペラ座管弦楽団 1961年11月


 モーツァルト 交響曲 第40番 ト短調 K.550 Mozart Symphony No.40
 カール・シューリヒト指揮 パリ・オペラ座管弦楽団 1964年6月

by Bluenotejoy | 2014-03-22 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)