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夜つぐみの鳴くところで

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シューベルト 叶わぬ恋の幻想曲

フランツ・ペーター・シューベルト 言わずと知れたオーストリアの大作曲家である。
Franz Peter Schubert (1797年1月31日 - 1828年11月19日 31歳没)
各分野に名曲を残したが、とりわけドイツ歌曲において功績が大きく「歌曲王」と呼ばれることもある。

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そんな彼が最晩年に残した 「幻想曲ヘ短調 D.940」 は、亡くなる直前に発表したピアノ連弾曲である。
四手のためのピアノ曲の中でも、とりわけ印象深い傑作であるが、こんな逸話が残されている。

シューベルトは21歳の夏、ハンガリーの貴族エステルハージ伯爵一家の音楽教師として雇われる。
伯爵家の姉妹マリーとカロリーネにピアノを教えるためである。

更に6年後にも伯爵から招聘され夏別荘のピアノ教師を務める。
二度の出会いで、彼は妹のカロリーネに強い恋心を抱くのである。
シューベルト27歳、カロリーネ18歳、1824年の夏であった。

そして4年後の1828年「かなわぬ恋」の想いを込めてこの曲をカロリーネに献呈している。

映画 「未完成交響楽」 では、カロリーネの前で 「交響曲ロ短調」 をピアノ演奏しようとして
完奏を果たせず、未完成の曲の譜面に 「わが恋の成らざるが如く、この曲もまた終わらじ」
と記して「未完成交響曲」となった、というシーンがあるが、この 「幻想曲ヘ短調」 こそが
カロリーネへの思慕作なのである。

1827年3月26日、ベートーヴェンが死去し、シューベルトは葬儀に参列した。
その後で友人たちと酒場に行き 「この中で最も早く死ぬ奴に乾杯!」 と音頭をとったという。
この時友人たちは一様に不吉な感じを覚えたと言うが、彼の寿命はその翌年で尽きるのであった。

大好きなこの曲は大好きな マリア姐さん にお願いしよう。
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マリア・ジョアン・ピレシュは1944年生まれのポルトガル出身の女性ピアニストです。
今季で引退すると言う彼女は4月には最後の来日ツアーを行っていた。
コンサート前半はモーツァルトで後半はシューベルトの幻想曲だけのプログラムだったそうだ。

こちら姐さん43歳の時の録音です。
マリア・ジョアン・ピレシュ & フセイン・セルメット、録音:1987年



こちら還暦を迎えた録音です。
マリア・ジョアン・ピレシュ & リカルド・カストロ、録音:2004年



おしまいはフランスのアルル出身1987年生まれの愛弟子 ジュリアン・ブローカル との連弾です。
歳の差を感じさせない息の合った演奏は素晴らしいの一言に尽きます。
ピリスいわく 「詩情のセンス、エネルギーと抑制、構造の深い理解と真の音色・・・
彼がみせるこれらの資質はとても稀有なものです」と。

ここでのピアノはホール備え付けの ファツィオリ(fazioli) です。
1981年創業のイタリア新進メーカーで、職人の手造りによる少量最高級を目指しています。
スタインウェイを聞き慣れた耳には新鮮に響きますね。

マリア・ジョアン・ピレシュ & ジュリアン・ブローカル 2016年4月


by Bluenotejoy | 2018-07-01 17:00 | 音楽 | Trackback | Comments(0)
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